【相談事例】建て替えがいい?住み替えがいい?~新婚ご夫婦の住宅

【相談者様】
ご主人、奥様の2人暮らし
戸建て住宅にお住い

【1】雨漏りがひどい住宅は建て替えがいい?住み替えがいい?

まだ子供のいない、新婚ご夫婦からの相談です。

二人は結婚を機に、両親が残してくれた一戸建て住宅に住み始めました。
しかし、最近になって雨漏りがひどくなり、どうするか検討中とのこと。
両親が残してくれた大切な家であることもあり、簡単に手放すのも…と迷っているご様子。

住宅は大きな買い物であるため、建て替えるにしても、住み替えるにしても、これからの人生設計に大きく関わる決断ですね。
どちらが賢明な選択なのか、判断に迷ったため、ご相談にいらっしゃいました。
新婚でお子さんがいないとなると、考えることが多く、どこから考えていけばいいのか悩んでしまいますよね。
住宅を検討する際には、将来の家族計画、キャリア、財政状況などを踏まえて考える必要があります。

【2】建て替えか住み替えか悩んだ時は4ステップで整理

今回のご夫婦のケースのように、親から引き継いだ家や中古住宅は、それなりに年数も経過していて、傷んでいる部分も多いです。
屋根や外壁の劣化、設備の老朽化、間取りの古さなど、様々な問題が出てくることがあります(中古住宅などはリフォーム済みの物件も多いですが)生活に支障が出ている場合には、建て替えか、住み替えか、悩む方も多いでしょう。

どちらにしようか悩んだ時には、これから説明する4ステップで整理していくのがおすすめです。

(1)ライフプランを作成

ライフプランを作成することで、将来の生活設計やお金の流れを把握しやすくなります。
例えば、子どもの誕生により必要な部屋数が増えることや、教育費の準備が必要になることなどが明確になります。

ライフプランには、
・転職
・退職
・出産
・子どもの入学・進学
・自動車の購入・買い替え
などの項目が当てはまります。

まだお子さんがいないご夫婦の場合は、子どもがいる場合と2人暮らしの場合に分けて考えるのも良いでしょう。

(2)それぞれにかかる費用を算出

次に建て替えの場合と住み替えの場合にかかる費用を計算していきます。費用のシミュレーションには、建築費、解体費、仮住まい費用、売却費、土地代など、それぞれに必要な費用を足していくところからスタート。今回のご夫婦の場合は、土地を売却して住み替えを行う場合よりも、建て替えを行う方がコスト面では安くなることが分かりました。

住宅関連の費用が計算できたら、作成したライフプランに沿って、収入、生活費、娯楽費なども記入していくと、これからどれくらいの収入が見込めるのか、費用がかかるのかが分かるので、より検討しやすくなります。収入と支出を細かく出しておくことで、住宅ローンの返済可能額や、将来の資金計画がより明確になります。

(3)子育てにかかる費用も加算する

ここまで検討したうえで、今回のご夫婦の場合だと、これからお子さんが授かることも考慮してシミュレーションを考えていきます。

子どもを育てていくための費用も考慮すると、より具体的な部分まで考えることができるようになりますね。このように、やりたいことを全て書き出して考えることで、住宅にかけれるお金がどれくらいあるかが可視化でき、検討しやすくなります。

この時期には趣味を控え、子どもの費用にしないといけない、など具体的な計画が立てられるでしょう。

(4)住宅の活用方法を検討

最後に住宅の活用方法を考えていきましょう。

ここまで考えれば、どれくらい住宅にお金をかけられるのか、親が残してくれた家をどのようにかるようすれば良いのかを検討しやすくなります。今回のご夫婦の場合には、次のような選択肢が考えられます。

(1)現在の家を建て替える
(2)現在の家を売却し、新築一戸建てあるいはマンションに住み替える
(3)現在の家を大規模リフォームする

お金の面はここまでのシミュレーションで整理できたと思いますが、気持ちの面も含めて今住んでいる住宅を有効活用する方法を考えてみてくださいね。

【3】どのように費用を計算すればよいか悩んだら

今回、ご相談いただいたご夫婦は、最初の相談から半年後に再度相談にこられました。

相談後に、お子さんが授かったこともあり、環境を変えず、住みやすい家にしたいということで、建て替えの方向に落ち着きました。
コストを選んで建て替えるのか、新天地で新しい生活を始めるのかの選択は悩むところ。特に新婚の方は家族が増えることをなかなか想像できないところはありますが、ライフプランを考えるときに、全部やりたいことを出す(足し算をしていく)ことで、少しでもイメージをし、良い選択をしてほしいなと思っています。

このお手伝いができるのが私のお仕事でもあるので、自分ではなかなか考えられない、シミュレーションが難しい方は、相談いただけると嬉しいです。