【相談事例】50代のマンション購入

ご主人 正社員管理職
奥様  パート(扶養内)
賃貸マンション住まい(住宅補助あり)

【1】50代でマンションを購入予定

分譲マンションを数週間後に契約予定の依頼者からの相談です。
ご主人は管理職で年収も1000万円超え。奥様は扶養内でパート勤務。お二人で暮らしていらっしゃいます。
現在は四日市在住。定年まで10年を切って最後は地元で過ごしたい思いから地元のマンションを購入を決意。(マンション購入したら転勤希望を出す予定、もしくは地元から通う)

今回購入予定のマンションの価格が約4500万円。
定年後も65歳まで働く予定
貯蓄は2000万円。退職金は、転職して現在の会社に在籍しているので1000万円より少ない予想。

これで予算診断をしました。
(過去一度、他のFPにも相談済み。その時は問題なしだった)
今回も、念のためのご相談だったので、加えて年収も多いので、全然大丈夫だろうと思っていたら、、、

なんと! 購入限度額が900万円、、、え、低すぎる、、、、4500万円のマンションなんて全然買えない、、、

でも契約は迫っている!!!
という緊急事態でした(汗)

ご主人は50代で、そろそろ定年後の生活設計もしなければならない時期。今、マンションを買うと老後の生活設計が破綻する可能性が大!

【2】マンションの管理費と修繕積立金が老後には重い。

マンションは一戸建てと違って、住宅ローンの返済以外にもランニングコストがかかることに注意しなければなりません。購入予定のマンションも管理費と修繕積立金合わせて35000円ぐらいでした。
一戸建てでも、もちろん修理はありますが、自分の意思でやるかやらないか、また予算に合わせて修理の程度が決められます。マンションはそういうわけにはいかない…ここが注意です。

一戸建てだとローンの返済額が一緒だったとして、マンションの管理費の分は貯蓄に回せます。そして、それを長期運用すると何かしらの運用益が出るんです。

この方のケースだと、65歳以降、現在の老人世帯と同じ生活水準を維持しようとした場合、収入が不足するという結果でした。(60歳定年の時点から蓄えを取り崩す事になる。)

中高年になってからの家の住み替えや購入は、頭金を相当額入れるかしかありません。
住宅ローンを十数万円支払いながらの年金生活は相当厳しいと思います。相当額の預貯金の取り崩しをしないと無理だというシュミレーション結果でした。70歳過ぎで、貯金ゼロでした、、、

【3】購入するなら取り組んでほしい事

①生活費の見直し。

現状の生活費は年収に対して過度ではないですが60歳までにできる限り蓄えを残す事が目的です。その場合、定年まで10年を切っている状況からできるだけ投資より貯蓄に重点を置いてほしいです。

現状、月々の生活費は30万弱でした。65歳以上の生活費の平均値が22万円弱。この夫婦はお子様がいないので65歳を超えても生活費の下がり方が弱いと思います。シミュレーションでは65歳以降は平均値を採用しているので実態はもっと厳しいと予想しています。

②奥様に仕事に就いてもらう。

これは購入を決定した時から奥様が地元にちょくちょく行って探していらっしゃるようです。就いてみたい仕事があるらしいです。ぜひ頑張ってほしいです!

ハードルは相当高いですが、できれば

 年収は400万円以上(月収28万・ボーナスが夏冬合計2.3か月)
 65歳まで雇用可能な会社。
(蓄えを増やす事と老後の年金を増やす事が目的です)

地元の同年代女性の収入は統計上、非正規雇用300万、正規雇用430万ですが初任給からこんな数字ではないはずなので・・・。

③不要な保険の解約

高CV(キャッシュバリュー=解約返戻金)の死亡保険が2本あるので大きな買い物の場合はこれを取り崩す。(配偶者が就業すれば必要保障額はある程度は改善されるはずです。但し現状でも必要保障額は不足。)

現在マンションは予定通り購入されたそうです。
改善すべき点は改善して、安心した生活を送ってほしいですね。