いま家を買うなら知っておきたい、住宅市場のリアル

「そろそろ家が欲しいなあ」と思って物件サイトを開いてみたら、「えっ、こんなに高いの!?」と目を疑ったこと、ありませんか?

ここ数年、都市部はもちろん、地方都市まで住宅価格がじわじわと上がっていて、「家を買う」というのが一昔前よりもずっと大きな決断になっています。

今回はそんな今どきの住宅市場について、わかりやすく整理してみました。今ってどんな人がどんな家を選んでるの?価格の動きは?…などなど、今どきの“住まいの空気感”を一緒にみてみましょう。

いくらなんでも高すぎない!? 住宅価格の話

最近の住宅価格、ほんとうに驚くほど上がっています。たとえば名古屋市内で土地27坪に3階建ての家を建てると、土地だけで約3,000万円。建物まで入れると8,000万円超えなんてことも…。駅近のマンションだと、普通に1億円を超える物件も出ています。

「都会だけでしょ?」と思うかもしれませんが、地方都市も例外じゃありません。たとえば三重県の四日市市では、駅から徒歩15分のファミリー向けマンションが5,000万円に迫る価格。駅前の再開発事業での活況などで、価格が上がっているんですね。

さらに、名古屋近郊では駅からの距離が「1分違うだけ」で、坪単価が10万円単位で変わることもあるとか…。

“家を買う人”も、“家のかたち”も、どんどん自由に

最近は「誰が家を買うか」も「どんな家を選ぶか」も、ずいぶん自由になってきました。

たとえば、子育て中のシングルマザーが子どもとの安心した暮らしのために購入したり、結婚や子どもを持つ予定がなくても、一人で優雅に過ごすためにマンションを買ったり。昔のような“家族のための家”という形にこだわらない選択肢が増えています。

家の間取りも、メーカーやコンセプトによって本当にさまざまです。
「リビング40畳」なんていう広々空間を提案するハウスメーカーもあります。家族みんなが同じ場所にいながら、それぞれ好きなことをして過ごせるような、ゆるやかに繋がりを感じられる間取り。柱を減らした構造など、ハウスメーカーの技術がこうした自由な設計を支えています。

また、断熱性能や空調システムといった住宅性能も後押ししています。家全体を一定の温度で保つ「全館空調」を導入することで、どの部屋でも快適に過ごせるようになりました。その結果、間取りの自由度もどんどん高まっているんです。

都市部では、土地が狭いため「鉛筆が立っているような家」とも言われる縦長の住宅が一般的に。27坪ほどの敷地に3階建てを建てるスタイルで、1階に寝室と風呂、2階にLDK、3階に子供部屋と、フロアごとに役割を分けるのが特徴です。

そして郊外や地方では、土地の広さを活かした「平屋」も人気です。最近では、あえて大きな家を建てず、広い敷地に小さく暮らすというスタイルを打ち出すハウスメーカーも増えています。少子化の時代に合った暮らし方として注目されています。

「じゃあ中古はどうなの?」と思ったあなたへ

新築が高すぎるなら…と、中古住宅に目を向ける方も増えています。ただし、中古住宅も思ったよりスムーズにいかないことも。

たとえば空き家。値段は安いけど、不動産会社としては利益が少ないので積極的に取り扱ってもらえないケースも多いです。自治体が空き家バンクをやっていたりもしますが、「これは!」という物件に出会えるかどうかは、正直タイミングと縁次第…。

一方で、再開発が進んでいるエリアや、地価が上がっている地域では、中古でもじわじわ価格が上がってきていることも。中古だからといって必ずしも“お得”とは限らないんですね。

また、中古物件の多くはリフォームが必要になるケースも多いため、「リフォーム費用も含めて自分に合うか?」という視点で見極めることが大切です。見た目がきれいでも、水回りや断熱などに意外とコストがかかることもありますからね。

まとめ:今こそ、“自分らしい暮らし”を見つけるチャンス

今の住宅市場は、価格もスタイルも本当にさまざま。だからこそ、「高いから無理」とあきらめる前に、「どんな暮らしがしたいか」から考えてみるのがおすすめです。

静かな郊外でのびのび暮らすのか、駅近で便利な生活を送るのか。正解は人それぞれです。

そして何より大事なのは、信頼できる専門家に出会えるかどうか。住宅購入は、担当者次第で明暗が分かれると言っても大げさではありません。焦らず、じっくり相談できる人と出会えるかどうかが、とても大きなポイントになります。

「家を買う」はゴールではなく、新しい暮らしのスタート。焦らず、自分に合った選択をしていきましょう。