家の修繕費、どうやって準備する?~「お金がない!」とならないために~

前回のコラムでは、住宅購入後にかかる年間維持費についてご紹介しました。「思ったよりも維持費ってかかるんだな…」と驚いた方も多いのではないでしょうか?
今回は、そんな住宅購入後の維持費をどのように準備していくかについて、分かりやすく解説します。
住宅の維持費、どれくらいかかるの?
家を購入すると、ローン以外にも修繕費、固定資産税、火災・地震保険料など、長期的に必要な費用が発生します。
例えば、30年でかかる維持費の目安はこんな感じです。
- 鉄骨住宅:200〜250万円程度
- 木造住宅:450万円以上
大事なのは「どっちが安いか」ではなく、「ちゃんと準備できるか」
目安として、維持費は月3万円(修繕費、税金、保険料などを含む)を見積もっておくと安心です。
※具体的な維持費については、前回の記事をご覧ください。
10年~15年後、水回り設備の交換が必要に
前回のコラムで詳しく触れられなかった水回り設備の交換についても、ここでお話しておきましょう。
水回りの設備は、毎日使うものだからこそ10年から15年ほど経つと、修理や交換が必要になることが多い場所です。
実は、家の劣化につながる原因はいくつかあります。
- 人が手荒く使用する
- 流れるエネルギー(電気・ガス)
- 流体(水)
- 紫外線
- 埃
このようなものが積み重なることで、家は少しずつダメージを受けています。特に水回りは(3)の「水」の影響を日々受けているので、劣化のスピードも速くなります。
主な水回り設備の大規模修繕の目安は以下のとおりです。
設備 | 交換時期 | 費用の目安 |
エコキュート | 15年~20年 | 100万~150万円 |
給湯器 | 10年~15年 | 10万~30万円 |
キッチン | 20年~ | 50万~150万円 |
浴室(ユニットバス) | 15年~ | 90万~150万円 |
洗面所 | 10年~15年 | 10万~50万円 |
トイレ | 10年~15年 | 10万~50万円 |
蛇口など頻繁に動かす部分は「消耗品」と位置づけられ、上記よりも寿命(交換時期)は短いです。
上記の交換時期の目安は新築住宅の場合です。中古住宅では築年数や設備の状態によっては早めのリフォームが必要になることも。
また、住宅メーカーの保証プランを活用すると費用を抑えられる場合や、水回りのリフォームはまとめて依頼すると費用が安くなることもあるので、あくまで目安として考えてください。
修繕費の積み立て、コツがあります!
固定資産税や火災保険は毎年支払うものですが、修繕費はタイミングによって一度に大きな出費になることがあります。
例えば、外壁や屋根の塗替えは15年が目安といわれています。仕様や面積で変わってきますが一般的に80万〜150万円程度です。
「そんなにお金がかかるの!?」と驚くかもしれませんが、維持費は計画的に積み立てることで負担を軽くできます。
たとえば、修繕費専用の貯蓄を月々1万円積立てておくと安心です。
一見、微々たる金額に思えるかもしれませんが、10年で120万円。これが将来の大規模修繕の命綱になります。
計画的に貯蓄しておくことで、「急な出費で慌てる!」なんてことがなくなります。
万が一、積立で足りなかった場合は、リフォームローンという選択肢もありますが、住宅ローンより金利が高めなので要注意。
住宅ローンを借りるときに、将来の修繕費も考えて貯蓄計画を立てるのがベストです。
柔軟な対応も忘れずに
「維持費をしっかり貯めよう!」と言っても、人生には想定外の出来事がつきもの。
例えば、お子さんの進路予定が変わって進学資金が余分に必要になったり、思わぬ出費が発生したりすることもあります。そんなときは、一時的に積み立ての金額を調整することもアリ。
ただし、「今月遊びすぎたから積み立てはお休み」みたいな安易な判断はNG。あくまでコツコツと計画的に、でも柔軟に対応することが大切です。
いざという時に困らないために
家の修繕費は一度に大きな金額が必要になるので、事前の計画が重要です。
とはいえ、「ちゃんと計画できているのか不安…」という方もいるかもしれません。
そんなときは、プロのファイナンシャルプランナーに相談するのもひとつの方法。ライフスタイルや将来の収入を踏まえて、自分に合ったマイホーム計画を一緒に考えてくれます。
賢く準備して、「こんなはずじゃなかった!」を防ぎましょう。