家を買った後にかかるお金～知っておきたい年間維持費のこと～

マイホームを手に入れたら、それで終わり…ではありません。むしろ、そこからが住宅との長い付き合いの始まり。
毎月の住宅ローンだけではなく、維持費もしっかり考えておかないと、「思った以上にお金がかかる！」と後悔することにもなりかねません。
今回は、住宅購入後にかかる年間の維持費について、分かりやすく解説します。

住宅の維持費って、実際どのくらいかかるの？

家を持つと、修繕費や固定資産税、保険料など、いろんな費用が必要になってきます。その金額は、家の構造やメーカーによっても大きく変わってくるんです。

たとえば、大手の鉄骨系ハウスメーカーで建てた場合、30年間でかかる維持費は200万円～250万円くらい。一方、木造住宅の場合は、30年間で450万円以上かかることもあります。
「えっ！木造住宅の方が維持費が高いの？」と驚くかもしれませんが、白蟻対策の費用、外壁や屋根の塗装費用がかさむので、それくらいの差が出るんです。

ここで重要なのは、イニシャルコスト（建築費）と長期コスト（維持費）のバランス。鉄骨住宅は建築費と固定資産税が高めだけど、修繕費と火災保険料は抑えめ。木造住宅はその逆。
結果として、生涯トータルのコストは、ほぼ同じになる可能性もあるんです。

専門家としての経験から言うと、大事なのは「どっちが安いか」ではなく、「ちゃんと準備できるか」。
”月3万円” これが家を維持するためのひとつの目安です。（修繕費、税金、保険代など諸経費を合わせた金額）
ローン以外にも、固定資産税、火災保険、修繕費…住宅を購入する前に、維持費まで計算に入れておけば、「こんなはずじゃなかった！」を防げます。

購入後にかかる維持費、具体的に見てみよう

家を買った後にどんな費用が必要になるのか、具体的に見てみましょう。

1. 修繕・メンテナンス費用

家の維持費の中でも、特に大きな割合を占めるのが修繕費。一度に大きな金額が必要になることもあるので、事前に準備しておくのがベスト。

• 防蟻処理（白蟻対策費用）：5年（会社によっては10年）で10万〜15万
• フィルター交換（全館空調の場合）：年間1万円程度
• 外壁・屋根の塗装：概ね15年で80〜150万（塗装の仕様や方法、面積で異なります）
• 電気、ガス、水道の設備、配管の老朽化による修理、交換：15年が目安

特に、外壁や屋根の塗装は高額になりがちなので、あらかじめ積み立てをしておくと安心です。
中古住宅を購入した場合は、新築よりも早めに修繕が必要になることも。その分、積み立ては多めに考えておくといいですね。

2. 固定資産税

固定資産税とは、簡単に言うと、家や土地に対してかかる税金のこと。

土地や建物の評価額によって決まりますが、一般的な木造住宅なら年間15万円程度、鉄骨は年間25万程度（三重県）を見積もっておくとよいでしょう。ここに土地の固定資産税が加わります。（住居用優遇ありで年間2〜10万円、三重県)
建物の固定資産税は新築時から3〜5年、優遇措置があります。そのため、4〜6年目に急に支払い額が上がったように感じる場合があります。

3. 火災保険・地震保険

住宅を守るための保険も忘れてはいけません。

• 火災保険：年間約12万円（月1万円ほど）鉄骨造はほぼ半額です。
• 地震保険：年間5〜10万円（地域と入る保険金額によります。）

地震保険は実は火災保険の特約扱いになるので単独では加入できません。また加入金額は本体の火災保険の50%が上限になります。
そして、全保険会社一律料金です。(国の予算が投入されているので。)

このあたりも、維持費としてしっかりと計算に入れておきましょう。

マイホームで安心安全に暮らすために

「家を持つ」ということは、単に住む場所を手に入れるだけではなく、その後の維持費とも向き合うこと。

とはいえ、「住宅購入後に無理なく支払っていけるのか不安…」という方も多いはず。

そんなときは、プロのファイナンシャルプランナーに相談するのもひとつの方法です。現在のライフスタイルや将来の収入を踏まえた、無理のないマイホーム計画を一緒に考えてくれます。