住宅ローンの繰り上げ返済と投資、どっちを優先すべき?判断基準を3つのポイントで解説

「まとまったお金ができたんですが、 住宅ローンを繰り上げ返済したほうがいいですか? それとも投資に回したほうがいいですか?」
家を購入してしばらく経つと、多くの方が一度は悩むテーマです。結論から言うと、どっちを優先するのが正解かは人によります。
ただし、何となくのイメージや周囲の話だけで決めてしまうのはおすすめできません。判断するときには、必ず整理しておきたいポイントがあります。
ここでは、住宅ローンの繰り上げ返済と投資、どっちを優先すべきかを考えるための3つの判断基準を解説します。
ポイント1:住宅ローン金利と投資の期待利回りを比較する
一番わかりやすい判断基準は、 住宅ローンの金利と、投資の期待利回りの差です。
例えば、下記のような場合を考えてみましょう。
・住宅ローン金利:1%
・投資(全世界株式など)の期待利回り:3〜4%
この場合、理屈だけで言えば、 1%の住宅ローンを急いで繰り上げ返済するより、3%程度のリターンが期待できる投資をした方が、資産は増えやすくなります。
住宅ローンも投資も、どちらも複利で計算されます。この2%の差は、10年・20年で見ると意外と大きくなります。
ここだけ見ると、「繰り上げ返済より投資を優先したほうがいい」と感じる方も多いでしょう。
ポイント2:将来の金利上昇リスクを考える
ただし、ここで注意したいのが、今は金利が上がる局面にあるという点です。
将来の金利を正確に予測することはできませんが、仮に政策金利が2〜2.5%程度まで上がった場合、変動金利の住宅ローンが3.5〜4%程度になる可能性も考えられます。
※政策金利とは
政策金利とは、日本銀行が決める金利の基準となる数字です。この金利が上がると、銀行同士のお金のやり取りにかかるコストが上がるため、結果として住宅ローンの金利にも、時間差で反映されていきます。
こうなると話は変わります。
住宅ローン金利が投資の利回りを上回るなら、投資をするより、繰り上げ返済をして「確実なマイナス(金利負担)」を減らした方が合理的なケースも出てきます。
今は問題なく返済できていても、5年後、10年後に返済額が増えたときに家計が耐えられるか。
これは感覚ではなく、計算して数字で一度しっかり確認しておくべきポイントです。
ポイント3:精神的な安心感も判断材料にする
もう一つ、意外と大事なのが「気持ち」の問題です。
「住宅ローンがあると思うと落ち着かない」
「住宅ローンを完済できたら、気持ちがかなりラクになる」
こう感じる方も多いと思います。
その場合、多少効率が悪くても、繰り上げ返済を選ぶのは決して間違いではありません。お金は増やすためだけのものではなく、安心して生活するためのものでもあります。
ただし、繰り上げ返済をする際には金融機関や借入経過期間などによって手数料がかかる場合があるので、実際に繰り上げ返済する場合には手数料も含めて考えましょう。
ただし注意:繰り上げ返済のやりすぎは禁物
気を付けたいのが、繰り上げ返済を優先しすぎて、手元の現金がほとんどなくなることです。
病気、介護、子どもの進学など、予定外の出費は、必ず起こります。資産はあっても、すぐに使えるお金がない状態は危険です。
現預金として、生活費の6ヶ月~1年分を残しておくと安心です。
もしものとき、どのお金から使うべきか
家計が苦しくなったときは、換金しやすいもの、リスクの低いものから順に使います。
基本的な優先順位は次の通りです。
- 普通預金
- 定期預金
- 国債・債券など
- 投資信託・株式
- 不動産
投資信託や株式に手をつけるのは、最後から2番目です。本来は老後や将来のための長期資金なので、家計が本当に厳しくなる直前まで、できれば手をつけたくないお金です。
まとめ:状況に応じて柔軟に判断しよう
住宅ローンの繰り上げ返済と投資、どっちを優先するのが正解かは、金利、家計の余力、ライフステージ、価値観によって変わります。
「今は投資を優先する」
「数年後に繰り上げ返済を考える」
このように、状況に合わせて考え方を切り替えるのが現実的です。
一番やってはいけないのは、よくわからないまま勢いで決めてしまうこと。
一度、家計を数字で整理してみる。それだけでも、判断はかなりしやすくなります。
迷ったときは、客観的に家計を見てくれるファイナンシャルプランナーに相談するのも一つの方法です。
